クラシカルピラティスという言葉は、あまり耳にしたことがない方も多いかもしれません。
現在、一般的に「ピラティス」と呼ばれて広く知られているもののほとんどは、モダンピラティスです。クラシカルピラティスを理解するには、まずこのモダンピラティスとの違いを知るとわかりやすいでしょう。
モダンピラティスはクラシカルピラティスをもとに、フィットネス業界や教育機関が取り組みやすいようにアレンジしたものです。動きをシンプルにしたり、順番を自由に変えたりできるので、グループレッスンやマット中心のクラスに向いています。初心者や運動が苦手な人でも始めやすく、ピラティスを世に広めたのはモダンピラティスの貢献といえるかもしれません。
一方、本来のピラティスは、ただの運動ではなく「心と体をひとつにして、健康を取り戻すための方法」でした。
その原点となるのがクラシカルピラティスであり、いわば“真のピラティス”であると言えます。

ピラティスという名称は、考案者のジョセフ・ピラティスに由来します。ピラティスは1883年にドイツに生まれ、子どもの頃は病気がちでしたが、ボクシングや体操、ヨガで体を鍛え、健康を手にしました。第一次世界大戦では、負傷兵のリハビリを担当し、その経験から「コントロロジー」という独自のメソッドを作り出しました。戦後はアメリカに渡り、ダンサーやアスリートに教えながら、今のピラティスの基礎を築き上げました。

クラシカルピラティスは、このジョセフが残した本来の方法です。決められた順番でエクササイズを行い、「呼吸・集中・コントロール・流れ・正確さ・中心」という6つの原則に従って、体をバランスよく鍛えていきます。
つまりクラシカルピラティスは、生涯を通じて自分の体と向き合うための技術であり、心と体を整える考え方そのものなのです。当然クラシカルピラティスを学べば、モダンピラティスもすぐに習得できます。冒頭にお伝えした通り、モダンピラティスは従来のピラティスを簡略化したスタイルであるからです。
日本国内でも最近はマシンピラティスが広がってきました。これも実は新しいジャンルではなく、リフォーマー、キャデラック、チェア、バレルなどは、もともとジョセフ・ピラティスが考案したものであり、クラシカルピラティスの流れに含まれるものです。では、マシンピラティスをやればクラシカルピラティスを学ぶのも同じかといえば、そうではありません。先に述べた6つの原則に従って体を動かすことが重要であり、単に器具を使うだけではクラシカルピラティスとは言えないのです。
日本ではクラシカルピラティスを学べる環境はまだ十分に整っていません。その要因は、クラシカルピラティスの正統後継者の系譜を汲む指導者が少なく、育成体制も整っていないことです。世界的にピラティスの需要が高まり、マシンピラティスの流行も後押しとなり、クラシカルピラティスは再び脚光を浴びています。今後、日本国内でも需要が伸びていくでしょう。
当スタジオでは、レッスンやワークショップに加え、講師養成コースを設け、クラシカルピラティスの普及に努めています。
